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【実践企業紹介】株式会社ハヤシさま

株式会社ハヤシは、年商約2億、従業員数8名の金属等の金属を主とする廃棄物処理業の会社です。社長は三代目の谷口健一さん。「実践するマネジメント読書会(ドラッカー読書会)」の読書会ファシリテータでもあります。

 

 

 

まず[時間の記録]をしてみる

知識労働においては時間の活用と浪費の違いは成果と業績に直接現れる。知識労働者が成果をあげるための第一歩は、実際の時間の使い方を記録することである。

「経営者の条件」(p.57)

 

(清水氏:以下、敬称略)ドラッカー教授の時間管理の実践で業績が変わったというお話を伺いました。今日はそのお話を詳しく伺いたいです。

(谷口氏:以下、敬称略)時間管理の最初のステップの、[時間の記録]を素直にやってみました。

(清水)現状分析の入り口ですものね。何か気づいたことはありますか?

(谷口)それで最初に気づいたのは、[移動時間が多い]ことでした。

(清水)多くの方はそこから始まりますね。何か行動を変えましたか?

(谷口)はい。移動時間について工夫をしました。代表者である僕の仕事は、回収した廃棄物の値決めです。リスクのある判断だからです。この値決めは通常、お客様のところ訪問して回収価額を決めていました。だから、回収物を事務所に持ってきてもらって値決めをすれば、移動時間がなくなり、生産性が高まるかと

考えました。

(清水)なるほど。いい方法のようにも思えますが?

(谷口)いえ、やってみると [移動時間]がなくなっても、実際には、[事務所から動けない時間]になるだけで何も変わらなかったのです(笑)。

(清水)[動けない時間]というのは、面白いコンセプトですね。他の会社でも検討の余地がありそうな概念です(笑)。

(谷口)そうとしか呼べないんですよ。自由に動ける時間を作り出さない限り自分は単なるコスト要因になっているだけだ、と。

(清水)それに気づくには、時間を記録する方法論とともに、記録した時間を正視する勇気が必要ですね(笑)

谷口 健一 氏

 

★★解説:[時間の記録]の実践の風景から★★
[時間の記録]からスタートする、という原理原則の実践をお勧めするとき、多くの方が「今週は忙しくて、時間の記録をする時間自体がとれない。暇になってから。」とおっしゃいます。では、「暇なときがあるのだろうか?」、あるいは、「暇なときだけ、時間の記録する事は意味があるのか?」と尋ねると、その答えも大抵はNOなのです。「経営者の条件」には、『時間の記録の方法については気にする必要はない。』と記されています。ですから、[できない記録方法]を自分で選び、[その方法ではできない]ことを言い訳にするのではなく、まず、[できる記録方法]を探して選択するところが、主体性を取り戻すきっかけになるのかもしれません。

質問①:ご自身の時間の使い方を(2週間だけでも)記録をするならば、どんな方法や手段であれば、記録がつづけられそうですか?思いつく方法や手段を5個以上、列挙してください。

 

[時間を整理]するための仮説

次に来る一歩は体系的な時間の管理である。時間を浪費する非生産的な活動をみつけ、排除していくことである。そのための方法は三つある。

第一に、する必要のない仕事、何の成果も生まない時間の浪費である仕事を見つけ、捨てることである。(中略)

第二に、他の人間でもやれることは何かを考えることである。

「経営者の条件」(p.58−59)

 

谷口「次に考えたのは、もし自分が自由に動けるようになったら、自分は、この会社の新たな価値を創造するためにどんな貢献ができるか、を考えました。(その内容は後述。)その一方で、すぐには事務所を離れられるような体制にはなっておらず、時間がかかりました。回収する廃棄物の引き取り値(仕入れ値)は僕でなくても決められるように、ルールや基準を決めました。そうしてスタッフに、現地で値決めの判断をしてもらいました。不安なときは、客先から携帯で写真をメールしてもらって確認するなどしてトレーニングを積み重ねて行きました。」

清水「現場判断の教育訓練の仕組みですね。」

谷口「僕には、誰かの成長を喜ぶという資質があって、昔は教師になりたいと思ったこともあるくらいなので、これは楽しんで実践できました。でも、完全に委ねるまでには、何度も不安になりました。」

清水「そうなんですよね。多くの方が、最終段階が実現する手前で急ブレーキを踏んで元に戻してしまいます(笑)。」

谷口「踏み切れたきっかけは、実は趣味のマラソンでした(笑)。経営者仲間とホノルルマラソンに行くことになって。国内なら出張に行っていても連絡は取れたのに、1週間はまともに連絡がとれない状態になる。どうしようかと躊躇する僕に、ある経営者が、「このマラソンは、自分の体力と健康の診断になるだけじゃない。その状態に耐えられる組織かどうかが、企業にとっての体力と健康診断になるんだ。」と言われて、思い切って委ねる体制をつくることにしました。」

 

 

 

 

 

 

 

清水「結果はどうでしたか。」

谷口「思った以上にうまくやってくれています。そして、主要なメンバーがリーダーシップを発揮してくれるようになったと感じています。」

 

 

 

 

 

 

 

★★解説:活動の廃棄も仮説&検証で★★

時間の記録をして、それに基づく[活動の廃棄]の仮説を実践して検証し、その結果(失敗)に基づいて次の仮説を作り・・・と、連続した一連の廃棄で[まとまった時間]を確保した谷口さんの仮説&検証がすばらしいです。

でも本当は、初動の一発目の策で効果的な[活動の廃棄]の仮説を見つけることの方が難しいことかもしれません。それでも、一つ目の仮説を実践し、検証することからはじめなければ、谷口さんのように成功にはいたりません。
ということで・・

質問②:あなたの活動のうち、やめてしまってもよいものは何だと思いますか?

質問③:あなたの活動のうち、[活動量]や[時間的な予算]を半分にしても大した問題は起きない活動は何だと思いますか?

 

[まとまった時間]を何に使うか?

創造と変革は時間に対して膨大な要求を突きつける。短時間のうちに考えたり行ったりすることのできるのは、すでに知っていることを考えるか、すでに行っていることを行うときだけである。

「経営者の条件」第2章 汝の時間を知れ

~必要とされる時間 p.138

 

清水「でも、それだけでは業績の向上にはつながりませんよね。自由になった時間で何かされたのでしょうか?」

谷口「自分がこの組織の中で、どんな活動をするべきなのか?自分だからこそできる貢献はなにか?を考えました。」

清水「検討した結果、どんな活動でしたか?」

谷口「回収してきた廃棄物をより高く引きとってくれる買取先企業の開拓活動です。」

清水「いわゆる[販売先の新規開拓]ということですか?」

谷口「確かに、そういうことになりますね。当たり前のことのように聞こえるかもしれません。この業界には、二つのお客様があります。一つは、引き取った廃棄物を買い取ってもらう企業や商社です。これが一般的にいう[販売先]ですね。もう一方が、廃棄物を出す企業、つまり当社にとっては廃棄物を仕入れる[仕入先]に相当するものです。業界的には、回収する廃棄物の総量を確保するため、[仕入先]の開拓を優先する傾向にあります。回収物がなければ、引き取り先を開拓しても意味がないからです。もちろん、その開拓も僕の仕事ですが、今度は、一歩進めて、[販売先]の開拓をすることが、自分にできる《新たな価値を生む貢献》だと考えました。」

清水「なるほど。でも、それまでの行動パターンを覆して、新たな行動パターンに変えるのはなかなか大変ですよね。きっかけになったことはありましたか。」

谷口「[仕入先]の開拓は、同業者で競合し、引き取り価額と付帯サービスの競争になりがちです。ですから業界全体では無理な価格競争にならないよう、需給関係で[1キロ当たりいくら]という相場が決まります。その相場は1年のうちに価格が1.5倍になることもあれば、逆に6割や7割に縮むこともあります。数年前、まさに相場が6割になったとき、本気でどうしようかと思いました。それが踏み切れたきっかけかもしれません。」

清水「そこまでの変動は厳しいですね。利益なんて吹っ飛んでしまいますね。」

谷口「そうです。そこで、再利用の仕方に応じて回収物をサイズや形態別に分別し、ときには、さらに粉砕するなど、ひと手間を加えて、同質の形態のまとまりにしたのです。そうすれば、譲渡相手にとっては、その後の利用に際して、実はコストダウンとなるため、より高値で引き取ってもらえます。そういう引き取り先を探して、再利用のニーズをヒアリングしていきました。」

清水「それで、粗利水準が変わりましたか。」

谷口「はい、減収でも増益を実現することができました。」

清水「素晴らしいですね。」

谷口「やってみると、そういう細やかな対応こそ、大手にはできなくて、私たちのような小さな組織ができる強みで、その相手を見つけてくることが私のような立場にできる貢献だと気づいたのです。」

清水「業界の中での[ハヤシ]の強みと、[ハヤシ]のメンバーの中での谷口さんの強みがリンクしたのですね。経済の価値連鎖を考えると、さらに尊い功績ではないかと思います。」

 

ますます激化する市場にあって競争に勝つためには、経済活動の連鎖全体のコストを把握し、その連鎖を構成する他の組織との連携のもとにコストを管理し、成果を最大化しなければならない。

(明日を支配するもの 第4章 情報が仕事を変える p.131)

 

★★解説:利益構造を変える★★

谷口さんは、時間の整理によってつくった[まとまった時間]を対外的な活動に投下しました。それは、これまでの活動を廃棄して、新たな活動を取り入れるという、習慣の自己刷新です。仕事の次元を変える仕事でもありました。

Q④:あなたの組織が創造している[社会的な価値]は何ですか?
Q⑤:その創造する価値を拡大するために、あなた自身はどんな貢献ができますか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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