「継続学習」と「自己刷新」と若返り
今週は、新聞社の社員研修でした。
今年で5年目なのですが、他の会場や社員研修と比べると
やはり、文章を書くトレーニングをされていらっしゃる方々は、
質問ワークなどをやっても、書ける言葉の量が違うなぁ、と
いつも感じさせられております。
そんな研修会場からの帰りのタクシーで
年配の運転手さんのお話が、
とても興味深かったのでご紹介しますね。
行き先を告げた私に、
とんちんかんな道を提案した運転手さん。
あれれ?と思って
(清水)いつから運転手をされているのですか?
(運転手)実は今月からなんです。
清:ああ、そうでしたか。
運:カーナビがあるから、まだなんとかなっているますが、
なかなか道を憶えられなくて・・
ご迷惑をおかけしたらごめんなさい。
清:いえ、私はこの辺りはわかるので大丈夫ですよ。
カーナビがない時代の運転手さんは大変だったでしょうね。
運:ドライブに行くのも、地図を見ながら行っていましたものね。
清:昔、バイクに乗っていたので、地図を広げながら・・
というのもできず、北海道でずいぶん道に迷いました。
運:あ、バイクに乗られるんですか?
清:いえ、もう長いこと乗っていません。
運転手さんも乗っていたのですか?
運:(ちょっとテレながら・・)
実は・・・このトシで大きなバイクを買っちゃったんですよね~。
そこから人生が変わった気がします・・・。
(ナニ?何?面白そうなお話!)
その方は、長年働いた会社を昨年退職したらしい。
定年後も嘱託でお仕事をさせてもらうと・・
経営幹部も代替わりして若くなっている。
昔は後輩だった上司と、高齢の部下。
お互いにやりにくいだけでなく、
若い頃のようには身体が動かない。
体力がなくなっているから
勤務時間が長いと感じる。
つかれもたまる。
体力が持たないから、
「仕事のやり方自体を変えるべきだ」と
会社に主張したが、
こんどは同年配の同僚から、
「いまさら新しいことを憶えたくない。」
なによりも
単調な仕事に飽きている自分が居た。
「居心地はいいけれど、
このままでだと、自分がそのまま朽ち果てていきそうだ・・。
何か新しいことを始めなければ手遅れになるかもしれない。」
そう思って考えたのが
「昔やりたいと思っていたのに
あきらめてしまっていること」
そこで購入したのがバイクだったそうです。
ちょっと大きめ、ちょっと渋めのバイク。
購入して、乗り回していると、気持ちが若くなってきた。
新しいことにチャレンジする自信がついて来た。
だから・・
運:会社を辞めてしまいました。
別にバイクでの長期旅行をするためではありません。
“なにか”をはじめたくてたまらない気持ちになったんです。
一年ほど、ある勉強をして
先月からお金を貯めようと運転手も始めました。
このトシで恥ずかしながら、
来年あたり、起業したいと思っています。
ちょっと感動しました。
挑戦するきっかけは、なにかを変えるはじめの一歩。
私もバイクが欲しくなってきた(笑)。
***(ドラッカーの言葉)***
企業家社会では、
成人後も新しいことを一度ならず勉強することが常識となる。
21歳までに学んだことは5年から10年で陳腐化し、
新たな理論、技術、知識と代えるか、
そのため、一人ひとりの人間が、
自らの継続学習、自己啓発、キャリアについて
責任を持たなければならなくなる。
(イノベーションと企業家精神 p.335)
◆◆今日の質問◆◆
Q:昔、やりたいと思っていたのに、
いつの間にかあきらめてしまったものはありますか?
Q:今からでもできることはありますか?
Q:来年からでもできることはありますか?