もし自分がお客様だったら?(トップマネジメントの仕事:その5)
***(ドラッカー教授の言葉)***
顧客にとっての関心は、彼らにとっての価値、欲求、現実である。
この事実からしても、
「われわれの事業は何か」との問いに答えるには、
顧客からスタートしなければならない。
すなわち、顧客の価値、欲求、期待、現実、状況、行動
からスタートしなければならない。
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ここまで、トップマネジメントの役割の一つ目、
「事業を定義する」についてお話ししてきました。
今回は、その定義のレベルを少し上げてみましょう!
「お客様の身になって考えてみる」
なんてことをよく言います。
これ自体はまったく正しいのですが、
実は勘違いも多いものです。
それは「もし自分がお客様だったら・・・」
と考えてしまうから。
もし自分がお客様だったら・・を考える前に
自分(自分のような人)が、
うちの商品やサービスを利用する人として想定されているかどうか?
を考えてみましょう。
極端な例えでいうと、
私が妊婦向けの商品を扱っていたとしたら・・・
私がお金持向けの商品を扱っていたとしたら・・・
私が一流アスリート向けの商品を作っていたとしたら・・・
「もし私がお客様だったら、どんな工夫を施してほしいか?」
を考えても無意味だと思います。
「お客様の身になって考える」
の前には、自分たちの商品の顧客は誰かを考える必要があるのです。
*****(今日の質問)******
1)ご自身が扱う商品は、どんな人向けの商品ですか?
2)その方々は、他にどんな悩みを抱えていますか?
3)その方々は、どんなことを実現したいと考えていますか?
4)その方々はどんな時間を増やしたいと考えていますか?
5)その方々はどんな時間を減らしたいと考えていますか?
6)その推測が正しいかどうかを確認する方法は何ですか?